InVision、Adobe、そしてCacoo再び…?!プロトタイピングツール戦争は新局面へ

更新日:2016年6月23日

昨日は注目のニュースがいくつもありました。何かと騒がしい1日でしたね…。

InVisionが5,500万ドルを調達、登録ユーザーは200万人以上

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プロダクトデザインのコラボレーションツールInVisionがシリーズDで5500万ドルを調達
昨年も大型調達で話題になったInVisionですが、シリーズDとしてさらに大型の調達を行ったようです。今回の資金調達の目的は特に計画的なものというより「良い御縁があったので〜」みたいな感じで行ったようですが、最近InVisionは次々に企業買収を行っているのでそのあたりに使われそうです。InVisionがすごいなぁと思うのは、もうただのツール屋さんじゃないんですよね。世の中にデザインの真の力や、デザイナーのために新しい世界を見せようとしていて、そのための事業開発については手を緩めずやっているという感じがします。ツールの機能改善や新機能の提案はいずれ限界が来てマンネリ化してきてしまうんですよね。あらゆる手を使ってデカイ世界観を実現してるので、これからもめちゃくちゃ期待してしまいます。とりあえずCraftはよはよ!

Adobe XD Preview 4リリース。日本語対応アップデート。

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Adobe XD Preview 4 リリース!日本語UI、オブジェクト間の距離計測、ぼかし機能など
Adobeさんにとってまだまだ日本は良いお客さんだったようです、よかった。昨日、Adobe XDのバージョンアップがあり、日本語・ドイツ語・フランス語の対応が始まりました。その他にもオブジェクト間の距離計測、ぼかし機能、サイト埋め込み機能が発表され、今後のアップデートとしては戻るボタンやズームツール、他ファイルの読み込み・書き出しが開発中であることが発表されました。SketchもXDで開けるようになるみたいです。多言語対応については皆さんどのように感じられたでしょう?私は正直、そんなの後回しで良いからもっと他の機能開発進めればいいのになー残念という感想でした。今はユーザーを増やすよりも、きちんと使えるものを揃えることに注力すべきだと思うんですけどね。機能が揃っていない時点でローカライズ進めると何度も手間が掛かってしょうがない。Adobe、頑張れー!

CacooがついにFlashからHTML5へ。新しい進化を遂げるのか?

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Good-Bye Flash ~ CacooはHTML5で生まれ変わります
Web制作に関わるものなら誰もが一度は触ったことがあるのではないでしょうか?オンラインドローイングツール「Cacoo」がFlashからHTML5に全面移行することを発表しました。福岡発、世界中にユーザーを抱えるこのサービスがリリースされたのは2009年。まだスマホの制作ニーズはあまりなく、今のような制作プロセスは誰も想像していなかった頃の話です。ワイヤーフレームやフローチャートを描いてチームに共有する、PC Webのディレクションやデザインには欠かせないツールとしてたくさんの方が利用されてきたと思います。そのコアとなる技術はFlashでした。Flashについてはスマホの登場でニーズが一気に細くなり、人材獲得も相当厳しくなってきました。HTML5についてはブラウザの実装もだいぶ進み、技術者も増えてきたことできちんと使える技術になってきた状況です。CacooのHTML5への移行は事業を継続する以上、必然だったと言えます。果たしてCacooは今後どのような世界を見せてくれるのでしょうか?ワイヤーフレーム・フローチャートを描くドローイングツールとして提供し続けるのか、それともさらに進化を遂げて新しいプロダクトデザインのツールになっていくのか?今後の動きに注目です。

プロトタイピングツールはコモディティ化してきたのかな…と思いきや新プレイヤーが続々と参入していて、まだまだ成熟するのには時間がかかりそうだなと思う今日このごろです。果たして数年後、誰がシェアをとって生き残っているのか、本当に使いやすいものがちゃんと残っていくのか…目が離せないですね!

そういえば昨日の記事、結構反響がありました。見てくださった皆様ありがとうございます。
UI・UXデザイナー募集中!と書いてある求人案内の罠。

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji

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