Adobe CCは今後もっと値上げするような気がする

更新日:2019年1月10日

またしばらくブログを放置してしまいました。放置と言ってもアルバイトの方にお願いしてちまちま更新してもらっていたのですが。新年明けましておめでとうございます。

さて、去年より事前アナウンスがあったAdobe CCの値上げ。ついに値段が発表されました。全部入りは700円アップとのこと。

毎月いくらまでなら、みんな払い続けるのか?

月額4980円から5680円になりましたが、思っていたより大した値上げをしなかったなというのが僕の所感です。去年アナウンスがあったときには7〜8000円ぐらいになるのを覚悟していたのですが。わずか700円の値上げ。法人でたくさんのアカウントを保有していると結構なインパクトなのかもしれませんが、年間でも8,400円だから、昔のCS時代に比べればそんなに…という感じがします。

皆さんはいくらになったらAdobe CCを使うのをやめるんでしょう?個人的には1万円を超えてしまうと、キツイかなぁ。

シェアナンバーワンだからこそできるSaaSの値上げ

実はSaaSビジネスにおいて「値上げ」は珍しいことではありません。ずっと提供し続けているうちに機能が向上し、初期段階では実現できなかったような価値が提供できるようになり、顧客にも「機能が増えたんで値上げします」と説明しやすかったりします。特に製品がターゲットとする市場でナンバーワンをとっていたらなおさらです。

例えばホットペッパービューティという美容室のポータルサイトがあります。美容室には広告掲載だけでなく予約システムやPOSレジを提供しているのですが、結構な値上げをしています。そして値上げのためにTwitterが少し荒れたりするのですが(笑)掲載数はずーっと増え続けています。そして追随できている競合はほぼありません。

僕がちょっと前まで働いていたトレタという会社が提供している飲食店の予約管理システムもたびたび値上げをしていますが、値上げによって解約祭りが発生するということはありませんでした。

業務効率化ツールとしての大きな伸びしろ

Adobeはちょっと前からSenseiというAIを開発し、ちょっとずつプロダクトに落とし込みつつあります。Senseiが究極的に行き着こうとしているのはクリエイティブの自動化。現在は人間の操作を補助する、という業務補助の役割で使われていますが、その精度はまるで魔法のよう。昔はめちゃくちゃ頑張って切り抜いていたような写真が、数クリックで切り抜けてしまったり、動画からいらないものを自動的に消したり。

Senseiがもし、自動的にバナーやフライヤーを生成できるようになったら?要件をポチポチクリックしたり箇条書きのメモを読み込んだだけで、WebサイトやアプリのUIを生成できるようになったら?オペレーター的な仕事をしている人材は会社に必要なくなるかもしれません。

月給25万円で雇っていた人がやっていた仕事をSenseiが代わりにできるようになったら?そこまでいったらAdobe CCが月額10万円でも売れるかもしれません。

これまでAdobeのクリエイティブツールは、業務の効率化というよりは向上化という見られ方でしたが、Senseiによって大きな効率化が行えるツールになっていくと、「効率化するための予算」からお金を引っ張ることができます。Adobe CCには業務効率化ツールとして予算をぶんどってくる大きな伸びしろがあるんじゃないかと思います。

全部入りはいらないからもう少しバンドルパッケージにバリエーションを

それにしてもAdobe CC、製品が多すぎるような気がします。Webデザイナーの方はフォトショ・イラレ・Adobe XDがあれば十分。コーディングする人はDreamweaverやBracketsが必要かもしれませんが、これも併用はしないだろうし。逆に映像の仕事をしている人は、Webのツールっていらないですよね?

今はフォトプランや単体プランというものが用意されていますが、単体プランは3本ぐらい契約すると全部入りのプランを超えてしまいます。なんかせめてWebデザイナープランみたいな感じでフォトショ・イラレ・XDのバンドルプランを用意してもいいんじゃないかなぁと思います。

そういえば僕が中学生の時、はじめて買ってもらったのはDreamweaverとFireworksのバンドルパッケージでした。まだMacromediaという会社が提供していたときの話です。懐かしい。

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji

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