iOSガイドラインが示す、コンセプトを製品に落としこむ方法

更新日:2016年2月21日

Appleが開発者向けに公開している「iOS Human Interface Guidelines」には「From Concept to Product」という章があり、アプリを企画して実装していく手順を簡単に説明しています。今回はその内容と各項目ごとに参考になりそうな書籍やサービスを紹介します。
「From Concept to Product」は以下の様な内容が書かれています。

  • Define Your App
    1. List All the Features You Think Users Might Like
    2. Determine Who Your Users Are
    3. Filter the Feature List Through the Audience Definition
    4. Don’t Stop There
  • Tailor Customization to the Task
  • Prototype & Iterate
 
 

Define Your App

「アプリを定義しなさい」という一瞬「???」となるタイトルですが、簡単に言えば「このアプリはひとことで言うと○○○!」というコンセプトを考えなさいということです。この中には主な目的とターゲットとなるユーザ像が含まれている必要があります。このアプリの定義を開発初期段階で決めておくことによって、ブランディングや機能に統一感をもたらすことが出来ます。アプリの定義を決めるにあたって4つの手順を紹介しています。

1. List All the Features You Think Users Might Like

最初に構想していたアイデアをもとに、プロダクトに関連するタスクを列挙していきます。まずはブレストの原則に則って、関連するタスクは全部出しきります。この時点ではリストが長くなるのは気にしないでください、後で絞っていく作業を行います。

<ブレストの参考になる書籍>
考具 ―考えるための道具、持っていますか?

2. Determine Who Your Users Are

次に構想していたアプリの利用者の特徴を考えます。このアプリを使う人と、使わない人は何が違うのかをリストアップしていきます。まずは考えられるだけたくさん出していきます。その中から対象ユーザーを表すキーワードを選出し、ユーザーの特徴を決めます。

<ユーザーと向き合う開発に興味があったら>
リーン顧客開発 ―「売れないリスク」を極小化する技術 (THE LEAN SERIES)

3. Filter the Feature List Through the Audience Definition

対象のユーザーの特徴と、最初に出したタスクリストを照らし合わせ、対象としたユーザーが必要とするタスクを抽出します。最初に出したタスクリストの中には、対象ユーザーが行わないタスクが混じっているはずです。タスクを絞り込み、なるべく削ったところで、アプリで出来ることと対象ユーザーをまとめて要約し、ひとことにまとめます。これがアプリの定義になります。

<ひとことにまとめるコツを知りたい方に>
企画は、ひと言。

4. Don’t Stop There

アプリの開発が始まったら、以下のタイミングで必ずアプリの定義を振り返りましょう。
 
・新機能を追加すべきか検討するとき
・UIの外観や動作を検討するとき
・使用する用語を検討するとき

よくよくターゲットやアプリの目的を振り返って…その機能はいるのか?UIは使いやすいのか、雰囲気にあってるのか?ユーザーがわかりやすい用語になっているのか、検討してみてください。

Tailor Customization to the Task

ここでいうカスタマイズというのはアプリやサービスの雰囲気や世界観を指します。iOSはもともと綺麗で使いやすいUIを提供していますが、オリジナリティを出すためにはUIのカスタマイズが必要です。アプリの使用頻度や、タスクの内容に合わせて検討する必要があります。カスタマイズをする場合は以下の5点のガイドラインに従って考えてみてください。
 
・常にカスタマイズの理由を考える
・できるだけ認識に関してユーザの負担を増やさない
・アプリケーション内の一貫性を保つ
・常にコンテンツに従うこと
・標準コントロールを設計し直す前によく考える
・カスタムUI要素は徹底的にユーザテストを行う

<いろいろなアプリのカスタマイズUIを見てみましょう>
UI GRAPHICS ―世界の成功事例から学ぶ、スマホ以降のインターフェイスデザイン

Capptivate.co

Prototype & Iterate

ガッツリと実装に入ってしまう前に、ユーザーテストのためにプロトタイプを作ることを、ガイドラインでも推奨しています。紙で作ったプロトタイプや、Xcodeでストーリーボードベースの簡単な実装をしてデバイスにインストールしたものを使って、繰り返しテストをしましょう。

<プロトタイピングについて詳しく>
プロトタイピング実践ガイド スマホアプリの効率的なデザイン手法

<Xcode初心者向け>
絶対に挫折しない iPhoneアプリ開発「超」入門 増補改訂第4版【Swift 2 & iOS 9】完全対応

まとめ

簡単にですが、iOSのガイドラインを読むとUIの使い方だけではなく、実際にアプリを企画する方法やそれを実装に落としこむまでの流れが書かれています。ぜひデザイナーの方もエンジニアの方も、もう一度ガイドラインを読みなおしてみましょう。

iOS Human Interface Guidelines (From Concept to Product)

英語版
日本語版

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji