前回の続き
前回は製品が作られて顧客に届くまでに作られているデザインの成果物を洗い出してみました。デザインは会社の中から外まであらゆるフェーズにおいて存在し、部署間や顧客との溝を埋めて繋げる役割をしています。
目次
コミュニケーションを円滑にするツール
デジタル領域の会社、特に急拡大するベンチャー起業は、人が増えるにつれてコミュニケーションが行き届かなくなることがあります。そういったことを解決するために、これまで様々なツールが生まれてきました。一通り代表的なものを挙げてみます。
プロジェクト管理ツール
社内のプロジェクトの進捗状況を把握するためのツール。アサインされているメンバーや、各メンバーごとの進捗状況、スケジュールの把握や、問題箇所を発見するためのツール
ドキュメント管理ツール
社内の文書を管理・作成するツール。WordやExelでは出来ない、共同編集などが求められる。また、必要な情報がすぐに取り出されるような検索性も必要になる。
チャットツール
会話ベースのコミュニケーションが出来るツール。これまでメールで行われていたようなやりとりは、どんどんこのようなチャットツールに置き換えられている
SNSツール
社内専用の掲示板的なツール。
顧客管理ツール
社内に入ってくるあらゆる顧客情報を一元管理して見れるツール。売上管理やカスタマーサポート、マーケティング活動と連携する機能なども求められる。
汎用的なデータベース
上記に挙げたようなことが簡易的に実現できる汎用データベース
コラボレーションツールに「デザイン」が加わる
これまでデザインの成果物は上記のようなツールの上でやりとりされてきました。しかし、成果物の種類が増えてきたことや、成果物自体が複雑なものになってきていること(動くものでないとわからないとか)によって、このコラボレーションツールの領域に「デザインツール」が入ってきました。それが「InVision」を代表するようなプロトタイピングツールなどです。
コラボレーションツールは出来ることが少ないが、それでいい。
コラボレーションツールは誰でも使えるものでなければなりません。古参メンバーから新しい人、経営メンバーから現場のメンバーまで、みんなが使わなければコラボレーションになりません。なので、これを目的としたツールは「使いやすさ」「簡単さ」が求められます。必然的に機能は減ります。
先に挙げた「InVision」は、実はデザインツールとしてはとても機能が少ないです。画像をアップして、画面遷移を設定して、共有してコメントがつけられるだけです。デザインの制作自体はInVisionだけでは作ることができません。そのかわりに共有できることや、周囲からフィードバックをもらえること、簡単に扱えるというところはしっかりと整っています。またその他のコラボレーションツールとの連携も充実してきています。
そのツールは何のためにある?
これまでデザインツールはデザインを作り込むツールとしての利用シーンが多かったですが、InVisionのようなコラボレーションを目的としたツールも登場してきています。来年登場するInVision DSMはますますそういったコラボレーションの面を強化してくれそうです。
デザインを強化していきたい会社は、一度社内にあるツール群がどんな役割を果すものなのか整理して、デザインが社内にスムーズに流通するように業務内容を改善すると良いかもしれません。デザイナーだけではなく、情報システム部門の人間ともきちんと議論をして、どうしたら社内の情報流通をよく出来るか、きちんと設計(デザイン)するのが良いと思います。
社内のデザイン業務や体制でお悩みの方はぜひご相談ください
社内でうまくデザインを落とし込めない、効率的に業務が進まないというお悩みの方、どうぞお気軽にご連絡ください。何かお手伝いできることがあるかもしれません。
書き手:小島 芳樹 Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。 Twitter: @yoshikikoji |
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