iOS・Androidアプリが一般的になるにつれて、デザインツールにも新しいヒーローが登場した。オランダのデン・ハーグで2008年に創業したBogemian Coding社の『Sketch』だ。2013年にAdobe社の『Fireworks』が開発中止となったタイミングから風向きが変わり、現在では豊富なプラグインと直感的な操作性で注目を集めている。
『Sketch』でのUIデザインが日本でも普及していく中、『UIデザイナーのための Sketch入門&実践ガイド』がビー・エヌ・エヌ新社から2017年5月23日に発売された。
※UIデザインのおすすめ本として、テクニカルクリエイターズ.comでも以前から宣伝してきた書籍である。
著者は吉竹遼氏(以下、よしたけさん)。学生時代からデザインを専攻し、社会に出た時からアプリ開発の現場で知見を深めてきた人物だ。
今回、同書籍の著者として、よしたけさんにインタビューを実施した。
本を読み終え、基礎知識を身に付けた読者が次に手に入れてほしい考え方とは何か。さらに、取材が進むにつれて「実は本の中にも入れたかった・・」と、よしたけさんが前置きして語った、プロダクト開発現場で重要なデザイナーの仕事術についても聞くことができた。
アプリデザインを学び、実践する多くの方々に必見のメッセージや方法論をここにまとめる。
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吉竹 遼 2011年からフェンリル株式会社にてアプリの企画・UIデザインに従事。2014年10月よりSTANDARDへ参画。UIデザインを中心に、新規事業の仮説検証やサービス設計、チームビルディングなと共創に向けたアプローチに取り組んでいる。 |
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聞き手:小島 芳樹 プロデューサー。Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。 Twitter:@yoshikikoji |
この本は教科書にとどまらない
また、2016年12月から『WPJ』の連載で「吉竹 遼のSketch入門 for UIデザイナー」を担当していたのも大きかったですね。改めて復習できていたというか。
ですが、「吉竹さんの考え方を知ることができることも書籍のウリにしたい」と編集担当の方に言っていただいたのは嬉しかったです。
もしも、わがままが聞くのであれば1つの制作フローに関して5人くらいのやり方も載せてみたかったですね。
『Sketch』のヴァージョンが上がって情報が古くなったり、よしたけさんの考えも変わっていくと思いますけど、今の段階でのUIデザインの作り方が世に出せたことは素晴らしいですね。
ツールの使い方を覚えた次に覚えてほしいこと
ただし、ビジュアルの方向性が決まった後で『zeplin』に移行するコストが最近の悩みどころです。『InVison』に画面をアップロードしているので、議論をしているのにどこかのタイミングで切り替えなくてはいけませんよね?
なので、これからは全て『InVison』を使うのもありかなと。InspectやCraft Syncなどの機能も揃ってきましたからね。ただし、まだハードルが高いですが。
デザイナーがレビュー会を仕切る意味については、確か『みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド』にも記載がありましたね。
また、個人的には「デザイナーの意見を尊重して、全部信じる」という進め方も1つありだとは思います。もちろん、データを取っていくのは前提ですけどね。
まとめ
今回のインタビューを通じて、『UIデザイナーのための Sketch入門&実践ガイド
ツールを使いこなした先にある、良いUIを作るための仕事術。よしたけさんが積み重ねてきたデザイン現場での経験がこの本には詰まっている。
Kindle版が7月11日まで半額!
UIデザイナーのための Sketch入門&実践ガイド
編集/川野優希(ワグナー)@ougaan21
撮影/宮下直行