Webサービスは総合格闘技である

更新日:2018年3月23日

先日、知人からWebサービスをはじめたいけど何からはじめればいいかわからないと相談を受けました。

プログラミング・Webデザインについては本やスクールなどがたくさんあるので学ぶことができます。しかし、Webサービス全体を包括的かつ体系的に学ぶには、どうしてもサービスを運営している会社で働く…という選択肢になってしまい、あまり機会がないのかもしれません。

僕は会社員・個人として、さまざまなWebサービス立ち上げに関わってきました(残念ながら大きく一発当てたことはありませんが)。その中で培ってきた「Webサービスのはじめかた」を、少しずつですが書き起こして記事化していきたいと思います。

Webサービスは総合格闘技である

先日、マシュマロを運営しているだーすーさんとこんな話題をTwitter上でこんなやりとりをしました。

企業が運営しているWebサービスには様々な職種の人間が関わっています。それぞれ専門性が高い仕事ばかりですが、1つの専門性だけで解決できる課題は限定的で、それらを横断的に組み合わせることによってWebサービスは成り立っています。これは、まさに柔道・ボクシング・空手・レスリングなどが組み合わさった総合格闘技のようなものです。

Webサービスに必要な4つのスキル

Webサービスを作るには、大きく分けて4つのスキルが必要になります。

事業開発(BizDev)

わかりやすく言うと「企画」する能力です。世の中のどういった人たちに対して、どういう課題を解決するのか、それにはどういった技術が必要なのかを考えるスキル。世の中の流れをキャッチアップし、様々なサービスに熟知している、色々なビジネスモデルを理解している、などなど。規模が大きくなってくると企業間のアライアンスを行ったりもします。

マーケティング

サービスを届ける、広める力です。そのサービスが正しくユーザーに届くようにメッセージ・ブランドを考えたり、広報活動をしたり、お金をかけて広告を出したり。せっかく良いものを作っても、ユーザーに届かなければ意味がありません。どうやって広めるかは、サービスを作る前から考えておきたいところです。

デザイン

ユーザーの体験を考えたり、実際にWebサイト上でどうやってサービスを表現するかを考え、画面設計をつくる能力です。最近のプロダクトは初期フェーズから優れたUIで実装されているものも多く、わかりづらいものはすぐにユーザーが離れてしまうため、デザインのクオリティはサービス成功に大きく関わってくる要素の1つです。

プログラミング

コードを書いて、サービスの企画やデザインを実現する能力です。どんなにイケてる企画でも、どんなに素晴らしいデザインでも、動かなければ意味がありません。最近はAWSのようなクラウドサービスによってインフラの構築が容易になってきていたり、フレームワークを活用することですばやく実装を行うことができるようになりました。そのため、最近のWebサービスでは素早く実装するためのツールやフレームワークの使い方を熟知していることが求められます。

すべてを個人でカバーするのは難しい

大まかに4つのスキルを紹介しましたが、この中にも細かい知識がたくさんあります。また最近は初期フェーズで投資家から資金調達を行うことも多く、そういった資本政策についての知識が必要だったり、サービスの内容によっては細やかな法律の知識も必要になります。特に金融系・仮想通貨関連のサービスなどはセキュリティ・法律絡みで苦労されていらっしゃると思います。

これだけのことを、1人だけでカバーするのは難しいです。しかし、今は誰でもインターネットを使えば人に出会える時代!身近に相談できる人がいなければ、Twitterなどで呼びかけたりして、協力し合える仲間を探すのもありかもしれません。

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji

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