
SalesforceがDreamforce2017で「Quip Collaboration Platform」を発表しました。QuipとはSalesforceが昨年7.5億ドルで買収した文書・表計算のアプリケーション。TECHNICAL CREATORでは何度か取り上げていて、筆者も個人的にお気に入りのツールの一つです。日本ではあまり使われていないですが、ユーザー数は増え続けているようで、Facebookでは全社導入されていたりします。
目次
Live AppsでQuipはWord・Excelではなくなる
もともとスマホに特化したUIの文書作成・表計算のツールとして誕生したQuipですが、現在ではあらゆるデバイス上で動作するクラウドサービスになっています。今回発表されたプラットフォーム上ではLive Appsと呼ばれるカスタマイズされたアプリケーションがQuip上で動くように。Quipで作成している文書の中にカレンダーを埋め込んだり、カンバンが埋め込めたりという風に、文章や画像ではなくアプリケーションそのものを埋め込めるという、今までの常識をくつがえすものです。
試しにカンバンを使ってみた
最初、このニュースをみたとき「???」という感じだったので、実際にQuipを触ってみながら確認していきましょう。

Quipで文書作成を行うと、下の方にいくつか選択肢が出てきます

試しにカンバンを選択してみました。

カンバンにタスクを追加していくとこんな感じに。もちろんドラッグ・アンド・ドロップで移動できます
作成した文書内のカンバン以外の箇所にもテキストを入力することができます。
カレンダーや、画像のコメント機能も

試しにカレンダーを使ってみました。周りにコメントも書いてみました。

画像にピンを打ってコメントすることもできるので、社内のデザインレビューとかにも使えそうです。
Quipが取りに行こうとしているのはプロジェクトマネジメントとコラボレーションの領域
SalesforceはQuipを通じて、JiraのようなプロジェクトマネジメントやSlackのようなチャット、そしてWord・ExcelなどのOfficeやGoogle Docs・スプレッドシートを含んだ統合コラボレーションツールを作ろうとしているんですね。
もちろんQuipはCRMであるSalesforceと連携していますから、顧客情報と結びつけることもできる。顧客情報にもとづいて、企業があらゆる部署を巻き込んでプロジェクトを進めることができる世界観を作り上げようとしているようです。
Quipはとても直感的な優れたUIを持ったアプリで、今回のアップデートでそれが破綻してしまうのではないかと少し心配でしたが、僕が触った印象はこれでもっといろんなことができるワクワクを想像させてくれる心地よさでした。今後のアップデートでもその雰囲気がなくならないで欲しいなという感じ。
そしてさらに他のツールとの連携も進むでしょう。来年以降、大きな進化を遂げるInVisionと連携したりしたら面白そう!会議の議事録がQuip上でそのまま要件定義や仕様書になって、InVision Studioでデザインを作り、InVisionでデザインレビュー、Quipでエンジニアに依頼するとGitHubにIssueが立つ…とか出来ないかな?
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書き手:小島 芳樹 Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。 Twitter: @yoshikikoji |
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