siori.desginにたどり着くまで…この5年間で作ったプロジェクトを一挙公開。ゼロイチに本当に必要なものってなんだ?

更新日:2018年3月7日

僕が前にWebデザイナーとして働いていたgloopsという会社では、一度だけ新規事業のコンテストが開かれたことがありました。当時gloopsはモバゲー向けのソーシャルゲームに売上を依存していたため、スマホシフトをしていくにあたって、何か手探りで新しいことをやらなければいけないという状況だったのだと思います。

僕は同じチームで働いていたエンジニアの友人2人と、今考えるとマジでクソみたいな企画を作って、ろくに練習もせずにピッチに臨み、見事に玉砕したのですが、そのときに事業を考える楽しさや難しさ、そして自分の中に込み上げる「人の役に立つものを作りたい」「新しい価値を生み出したい」という抑えられない衝動を感じたのでした。

それからというもの、僕は会社で働きながら、何度も自分で新規事業を生み出そうとして、いくつかのサービスを作ったり作りかけたりしてきました。本記事では、この5年間で作った企画やサービスを紹介したいと思います。

メニメニ

gloopsの新規事業コンテストで発表したスマホアプリのサービス。作ったのは企画書だけ。

スマホの中でペットを飼い、飼っているペットが育っていくと、自分のアシスタントとして様々なお手伝いをしてくれるというようなアプリだったともいます。もうあんまりよく覚えていません。ハッキリ言って実現性がなかったし、儲かるのかもさっぱり検証されていませんでした。まるで学生が考える企画です。クソです。

でもgunosyのようなパーソナライズされたニュースアプリや、AIスピーカーのような使っていくと学習していくような技術は、今まさに存在するわけで、もしかしたらこのクソなアイデアも、とことんやれば何か生み出せていたのかもしれません。これを考えてから2年ぐらいして、アイデアに価値はない、実行にこそ価値があるとすごく後悔しました。

サービス名の由来は「So many people, So many minds(千人千色)」から

GUIEEEN

gloopsからGoodpatchに転職して3ヶ月後ぐらいに、たまたま受託案件でほんの少しだけ空きの期間ができたため、土屋さんからの「何か考えろ」という鶴の一声で企画・提案したサービス。デザイナーさんに少しだけ作ってもらったあと、忙しくなってしまい自然消滅。

これは【擬音】でUIの見本を探せるサービスで、デザイナーがエンジニアにUIの動きを伝えるときの「もっとシュッて動かして欲しい」「ヌルっとできませんか?」というような会話をデータベース化しようというもの。

Goodpatchメンバーがキュレーターとなって、世界中から参考となるUIを集めてきて、「シュッ」「ヌルっ」「サクサク」などのタグを付けて投稿。ユーザーは【擬音タグ】で見本となるUIを探すことが出来るという内容でした。

サービス名の由来は「擬音(G)+UI」「GUI(グラフィックユーザーインターフェース)」「ギュイーン!(擬音)」から

今考えるとWordPressとかでやれば2〜3日で作れそう。土屋さん、これやりませんか?笑

寝ぐせ女子

当時「◯◯美女」みたいなサービスが次から次へと出ていて、何か切り口はないかと考えていたところ、「寝ぐせがついている女の子に萌える」というテーマでメディアが作れないかと思いついたやつ。

美容師さんに相談したところ、「かわいい寝ぐせ」には再現性がないという結論から断念。

リクルートマネージャー(仮)

Goodpatchで学生向けにインターンの募集を行ったところ、アホみたいに応募があって、応募者とのやりとりに悪戦苦闘。また中途採用でも応募者の管理が煩雑になっていたことから、採用管理システムの必要性を痛感。いろいろ調べてみると昔ながらの使いづらい高額なサービスしか存在せず、これを今時のインターフェースでクラウドサービスとして提供すればワンチャンあるのでは!と思いつくが、忙しくてしばらく放置。

TORETAに転職してからしばらくして、たまたま友人のくまちゃん(エンジニア)と泊りがけでGWに遊ぶことになり、せっかくだし何か作ろうという話になって、放置されていたこの企画が復活。埼玉のおふろcafe utataneで男2人の開発合宿が行われました。

しかしその後、ビズリーチが戦略人事クラウド「HRMOS」を発表。思わぬビッグプレイヤーの進出に、恐れをなして開発を断念。現在、クラウドの採用管理システムはビズリーチ以外にもタレンティオ(フリークアウト)、ジョブカン採用管理(Donuts)、jinjer(ネオキャリア)などがあります。どれが一番良いんですかね?

あと1年早く作っていればワンチャンあったのかな…。このときRailsでの開発を少し教わったのはとてもいい勉強になりました。

TECHNICAL CREATOR

このブログです。勢いだけでドメインを取ってしまったがために、とりあえずWordPressでサイトを構築。なんとか2年続いています。

動画メディア

動画系のメディアが次々に登場してきたため、これはワンチャンあるかも!と思ってさまざまなジャンルで検討。しかし、ひょんなことからkurashiruの撮影スタジオを見学させてもらい、「マジ半端ねえ!こんなのオレにはできねえ!」と思って断念。完全に日和った案件。

遊園地・テーマパーク向けのクラウドサービス

新婚旅行でディズニーワールドに訪れ、取り入れられている様々なIT技術に感動。日本でバブル期に作られ、さびれつつある遊園地やテーマパークに、便利で安いクラウドサービスを提供することで、業務の効率化や接客の向上ができるようになるのではないかと考え、さまざまなアイデアをブレストしたりプロトタイプを作ったが、あまりうまくいくイメージが沸かずに断念。

ディズニーの資本力だからできるんだ、あんな夢と魔法の世界。

遊園地・テーマパークのメディア「WONDER NEWS」

遊園地・テーマパーク向けの事業が頭から離れず、何かやりたい!という衝動だけで作ってしまったWebメディア。世界中の遊園地やテーマパークのイベントやニュースを調べて、記事化。サイト自体は速攻で出来るも、記事の作成・編集をほぼ1人でやっていたため、1ヶ月ほどでこりゃ無理だ!ということで更新を断念。

今もサイト自体は残っていて、普通に記事は更新できるので、これを使って何かやりたいってお話があればお譲りいたします。必要であれば追加の開発もやります。

siori.design

ブログの記事更新のために、毎日情報収集をしているなかで、紹介しきれない情報が結構たくさんあることや、2017年後半頃からnoteやブログでデザインに関する記事が増えてきたため、良い感じで毎日スキマ時間にデザインの情報をキャッチアップできるように、みんなで情報を整理して共有し合えるようなサービスがほしいなと思うようになっていました。

Designer Newsには英語の情報しか流れてこない、はてブはなんでもありなのでノイズが多い、NewsPicksはビジネス向けという感じだったので、自分たちでやってみるか〜ということで立ち上げたプロジェクトです。

リクルートマネージャーを一緒に作ったくまちゃん(エンジニア)、ポートフォリオサイト制作をお手伝いしたよしたけさん(デザイナー)の3人で開発をスタート。平日の夜や土日を使って、約2〜3週間ほどで作り上げました。

開発期間は短かったですが、これまで5年間もやもやしてきたものを詰め込んだサービスです。使ってくれる人はテック系で働くごく一部だけでしょうし、めちゃくちゃデカイサービスにはならないでしょうが、本当に役に立つサービスとして育てていきたいと思っています。

ゼロイチに必要なのって何よりも「覚悟」だと思う

自分でモノを作ったり、いろんな創業者の話を聞いていると、結局ゼロイチを生み出すのはスキルや経験ではなく、覚悟の話なのかなと最近すごく思っています。その見えない何かに、チームやユーザーはついてきてくれる。なので、まずは一緒に作ってくれてるくまちゃんとよしたけさんに圧倒的感謝。試してくれた最初のユーザーさんたちに感謝。そして、これからユーザーになってくれる人たちが喜んでくれるように、ブレない気持ちでやっていく覚悟です。

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji

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