UI・UXデザイナー募集中!と書いてある求人案内の罠。

更新日:2016年6月22日

たまたま転職サイトをチラ見していたら、ちょっとあれれ?となる内容が書かれていました。社名を出さずにぼんやり紹介すると…
「UI/UXデザイナー募集」
・Webメディア運営をしています
・Photoshop、IllustratorでのWebデザイン業務
・HTML、CSS、JavaScriptを使ったコーディング業務
あれ?これって業務内容を見ると全然UIデザイナーでもないしUXデザイナーでもない気が…。僕は思わずサッと「×」でブラウザを閉じました。

UI/UXデザイナーって書けば応募がたくさん来るの?

何年かバズワードだったUI/UXという言葉ですが、昔よりは良くなったとはいえ、まだまだ正しく意味が伝わっているのは一部だけなんだなと感じます。きちんとわかっている会社はUIデザイナーとUXデザイナーの業務領域を理解して正しい求人案内を出していますが、いまだに「それって何をさせたいの?」という求人は多いです。UI/UXって書いておけば応募が増えるんでしょうか?無駄にスキルの不一致を生み出しているだけのような気がします。
各職種の業務内容をざっくり洗い出すとこんな感じです。

UIデザイナーの仕事

・アプリやツールのデザインをする
・Sketchを使って画面設計やUIパーツを作る
・手書きや何かしらのツールを使ってプロトタイプを作る
・エンジニアとコミュニケーションを取りながら最終成果物の完成を目指す

UXデザイナーの仕事

・サービス全体のことを考える
・サービスに関わるステークホルダーに対してアンケートやインタビューを行う
・利用の流れを整理する(カスタマージャーニーマップ)
・成果物をユーザーに使ってもらって、利用の状況を調査する

この時点で一番最初に出てきた「UI/UXデザイナー募集」に当てはまる感じはしません。本当はどのような職種名で募集をするのが正しかったのでしょうか?ここで「Webデザイナー」の業務内容を挙げてみます。

Webデザイナーの仕事

・Webサイトのデザインをする
・Photoshop、Illustratorで画面の設計や装飾のパーツを作る
・必要な素材の作成、加工を行う
・HTML、CSS、JavaScriptでコーディングをする
・必要があればプログラムに組み込めるようにテンプレート化作業をする

本当に募集したかったのは「UI/UXデザイナー」ではなくて「Webデザイナー」だったんじゃないかと思うんですよね。

なんでもできる人=なんにもできない人かもしれない

人が少ない現場では、たくさんの引き出しを持っている人は重宝されるかもしれません。UIデザインもUXデザインもWebデザインも、ついでにプログラミングまで出来たら一石4〜5鳥かもしれません。しかしたくさんのスキルを身につけるにはそれなりに時間がかかりますし、それだけの業務経験を身につける機会ってすべての人にあるわけではないんです。「私、なんでもできます!」は、もしかしたら「私、いろんなことがちょっとずつできます」かもしれません。「フルスタックエンジニア」とか「テクニカルクリエイター」に本当に求めるスキルってめちゃくちゃ高いし、めったにいる人じゃないんですよね。

もう一度、デザイナーにお願いしたいことは何なのか考えて欲しい

人材の募集を行うときに、どういう人が必要なのかきちんと議論が行われているのか、もし行われていないのであればそれは問題だと思います。「デザイナー=いい感じできれいな画像を作ってくれる人」というのは随分古い考え方です。良いプロダクトを作るためになぜデザイナーを必要としているのか、デザイナーの方に何をお願いしなければならないのか、きちんと会社の方針を決めておくべきなのではないかと思います。

ちょっとダラダラ書いてしまいましたが、ミスマッチを防ぐためにも、求人案内は正しく伝えるべきと思った次第です。

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji