まとめ

12万人の命を救ったナイチンゲールと統計学と、そしてデザインの力。人は誰でもデザイナーになれる。

2016-6-29


近代看護の母として知られるナイチンゲールですが、彼女は数学や統計学にも知見があり、とても優れた統計学者であったことが知られています。そんな彼女の統計学の知見が大きく生かされたのがクリミア戦争でした。

命を救ったのは誰にでもわかるようデザインされたグラフだった

クリミア戦争で、ナイチンゲールはイギリス軍看護師団のリーダーとして派遣され、病院内の劣悪な衛生状態を目の当たりにしました。まずナイチンゲールはこの衛生面の課題を解決するため、放置されていた便所掃除をしたり、人手が足りなかった衣類の洗濯などを行いました。衛生面の改善が一定の効果を得たあと、統計に関する知識を駆使して、イギリス軍の戦死者のデータを分析しました。すると、死亡の原因となっていたのが戦闘による傷そのものよりも、病院の衛生状態であることがわかりました。

ナイチンゲールはこの統計結果を元に医療現場の改革を行おうとしましたが、強い縦割り組織によって統括されていた頭の固い陸軍の官僚たちを説得する必要がありました。官僚たちを説得するため、ナイチンゲールは統計資料をまとめあげ、『イギリス陸軍の保健と能率と病院管理に関する覚書』を自費出版しました。

ナイチンゲールはこの資料の中で、当時は馴染みのなかった「グラフ」を使って視覚的なプレゼンテーションを行いました。統計になじみのうすい国会議員にも分かり易いよう、誰にでもわかるように伝えるために作られたものです。

<グラフの大きな面積を占める箇所が感染症が原因による死亡を示している>
Nightingale

ナイチンゲールはその後もデータとそれをわかりやすく伝えるグラフを駆使して英国の世論を変え、病院の改革や学校の設立など医療の世界を大きく前進させました。

複雑な要件をまとめて、わかりやすく伝える。
これは現代におけるデザイナーの仕事であり、ナイチンゲールは優秀な看護師であり統計学者であり、そしてデザイナーだったのではないかと思います。

さて、何かを人に意見や気持ちを伝えたいと思った時、それはきちんと「デザイン」されていますか?

デザイナーじゃない人でもデザインはできる

人はどんな仕事をしていてもデザインをしなければならない機会に出会うことがあると思います。学生ならレポートを作るとき、仕事でプレゼンをしたりお知らせの手紙を作ったり、どうやって伝えればいいのだろうと考えるとき、それはデザインの力を必要としている時です。しかし、自分はセンスが無いからデザインはちょっと…と諦めていませんか?

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書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji