寄稿

BASEのUXを実現するクリエイティブ職の役割とは?

2016-3-2


こんにちはBASE株式会社CTOの藤川(えふしん)と申します。当社は、無料でどなたでも簡単にお店を作ることができ、商品を売ることができるネットショップの構築サービスを提供しております。

1374864_436032559832217_819860579_n 藤川 真一(えふしん)
BASE,Inc. CTO
株式会社想創社 代表取締役
初代モバツイ開発者
インターネットと日常の生活が融合された「何か楽しいもの」/「便利なもの」を作ることを目標に活動中。
Twitter:@fshin2000

 
先日、当メディアにおいてもご紹介いただきましたが、現在、Wantedlyの方でWebテクニカルクリエイターというタイトルで人材募集を出しています。
 
デザインを通じて優れたユーザ体験を実現するWebテクニカルクリエイター募集
 
この肩書は、まだ定着していないですし、もっと良い言葉があるような気がしていて、今後、定着するかはわからないですが、しかしながら、この名前の定着の有無に限らず、
 
『デザインも出来て、エンジニアリングも出来る』
 
という人材は、今後、たくさんの会社で求められていくものと考えています。

デザイン&エンジニアリング職が求められる背景

 
長らくWeb制作は分業制で最適化されてきました。Webディレクター、ビジュアルデザイナー、マークアップエンジニア、その他、専門性が高いJavaScriptに関してはフロントエンドエンジニア、Flashクリエイターなどです。
 
コーポレートサイトや大規模Webサイトの構築の際に、効率よく業務を分担するために分業制が発達したというのがWeb制作の歴史だと考えています。さらに1000ページを超えるようなサイトであればインフォメーションアーキテクト(IA)という情報設計の専門家を置くケースもあります。当然、専門職としてのプロジェクトマネージャもついたりします。
 
本来、必要な役割は、扱うサイトの規模によって変わるはずですが、一番普遍的なスキルであるビジュアルデザイナーやマークアップエンジニアにおいては、専門職の枠組みとして定着してしまいました。
 
ところがiPhoneが出てきて、インタラクティブ性の高いデザインが求められるようになりました。いわゆるUI/UXと呼ばれる時代です。
 
スマートフォンアプリのビジュアルデザインは、Photoshopだけでは動きのデザインができません。ブラウザと違って、画面遷移アニメーションはもちろん、Flashを遥かに超えるインタラクションを全てコードでコントロールできるようになったので、トータルでデザインができる人が求められます。プロトタイピングの精度を高めるためにも出来る限りプログラミングができるのが望ましいということで、テクニカルクリエイターと呼ばれるデザイン / 技術職が求められるようになったのだと思います。
 
そういう人材はそもそもいるのか?と言われれば、僕が思いつく限り、Web業界においてはActionScriptも使ってFlashコンテンツを作っていた人がそれに近しいスキルだったと思いますが、しかし、これから社会に出てくる若い人であればネイティブにビジュアル、インタラクティブデザインとプログラミングをマスターする人が出てくるのは不思議ではないと思っています。必要な技術は、時代と共に変わっていくので、今すぐには、そういう人材が簡単には見つからなくても「それが必要なスキルだ」と人材育成の視点も含めてコミットし続けることが大切なのだと思います。
 

BASEが求めるデザイン職

 
さて、BASEの求人で、テクニカルクリエイターという肩書で募集した意図は、もともと我々がデザイン職に求めていたスキルセットの明確化です。
 
当社は、Webサービスの開発とスマートフォンアプリの開発の両方に、それまでの感覚からすると幅広いかもしれない範囲の人材が必要だと考えていますが、その理由は単純な話で、「UXを実現するタスク」の粒度が小さいため、ここはマークアップ、ここはビジュアルデザイン、ここはPHPのテンプレートの修正と分業していたのでは効率が悪く、その範囲は全部やってほしいからです。当社のredmineにある「UI/UX改善スレ」というプロジェクトは、顧客要望や日々生まれる改善案を吟味しチケット化した後は、サーバサイドエンジニアが関わらなくても改善を進めていけるようになっています。
 
更にBASEは、デザインファーストという考え方でサービスを作っています。それは「正しくデザインできないものは作らない」という意思の現れです。
 
よくありがちなシステム仕様ありきのアプローチではなく、作りたいものが、実際にショップオーナー様が使うことが可能なデザインに落としこむことができるか?という視点で作業を進めます。これは、これまでのシステム開発会社のアプローチよりも、デザイナー職の裁量が大きくなることを意味しています。
 
この逆のケースだと、エンジニアが、なんでもできるという視点でUIを設計してしまい、過剰な機能の仕様を、ビジュアルデザイナーが無理やり画面に押しこむというアプローチが多いのではないでしょうか?
特にシステム案件で、Webデザインを外注するようなケースで、ビジュアルデザイナーが仕様確定後に始めて関わるというワークフローでは、もう、こうなることが運命づけられています。
 
私たちは、仕様検討の段階で、サーバサイドの担当者と一緒にデザイナー職の人間が入ります。デザイナー職はUI面からサービスのデザインを考えるため、UI側のシステムの実現性も担保することになります。その結果として、すぐれたUXを作り上げ、沢山のお客様にご利用いただける状況を作るのが、デザイナー職の責任範囲となります。
 
自分のこれまでのスキルの枠に閉じずにWebのクリエイティブ面は全部やりたいと思うWebクリエイターの人は、当社に限らず、このような職種にチャレンジしてみて欲しいと思います。スタートアップを中心に幅広い制作スキルを求める動きは増えているハズですから。あくまでも「Webページを作る仕事」ではなく「Webサービスを通じたUXを実現する仕事」として捉えて欲しいと思っています。
 
そんな話も含めて、3月10日に、渋谷のBASE本社オフィスでBASE Drinkというデザイナー向けのイベントをやりたいと思っています。今回のようなお話を当社のデザイン担当と一緒にしたあとで、お越しいただいた方々とお酒でも飲みながらカジュアルに会話を楽しみたいと思っていますが、現在、デザイナー職の方で「もっとWebの仕事って楽しかったハズなんだけどなぁ」などと思っているような方に来ていただけると、今後のキャリアの参考になるかもしれないです。お時間ありましたら、是非ご応募ください!
 
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BASE Drink #03
2016年3月10日
BASE本社(最寄り駅:渋谷駅)

書き手:小島 芳樹
Webやスマートフォンアプリによるサービスを開発・提供する会社で働いています。
Twitter: @yoshikikoji